困っていたことPROBLEM
領収書の箱が、ずっと机の横にありました。スキャナに通せば画像にはなります。でもそれだけだと、あとから見返しても「日付」と「金額」しか分かりません。
経理で本当に要るのは、その先です。誰と行ったのか。何のための支払いか。半年前の会食の相手を、レシートを見て思い出せる人はいません。
その答えは、実は自分のカレンダーに残っています。予定表に「◯◯様 会食」と入っている。領収書とカレンダーを日付で突き合わせれば、相手が分かる。それを手作業ではなく、まとめてやるようにしました。
同じ量の領収書を、封を開けてから一覧のCSVが出るまでの時間。
やっていることFLOW
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スキャンする
スキャナに束ごと通します。両面・300dpi。裏返しに入っていても、あとから直します。
裏面も必ず読みます。用途の手書きメモは、裏に書かれていることが多いからです。
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画像を読み取る
1枚ずつ画像を見て、日付・店名・金額・宛名・但し書きを拾います。手書きの走り書きも、レシートの薄い印字も対象です。
読み取りはAI(Claude Code)に任せていますが、金額は人の目で必ず確認します。
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カレンダーと突き合わせる
領収書の日付で予定表(TimeTree)を引き、その日の予定から同席者と用件を特定します。「会食」で検索して出てこない日は、予定自体が入っていない日と判断します。
海外出張中の分は、出張名と人数もここで付けます。
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画像に書き込む
領収書の画像の下に白い帯を足して、日付・店名・金額・宛名・同席者・用途を焼き込みます。横倒しでスキャンされたものは、ここで正しい向きに直します。
元の画像には手を入れません。別ファイルとして書き出します。
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一覧を出す
全枚数を1行ずつCSVにします。日付・取引先・金額・用途・ファイル名。月別フォルダに分けて、そのまま税理士さんに渡せる形にします。
実際の1枚SAMPLE
下の白い帯が、あとから足した部分
白帯に書き込んでいる内容
2026/9/3 FOREST TERRACE 明治神宮 ¥1,300 ※宛名は空欄
用途: 打ち合わせ(ドリンク2点)※同席者は伏せています
- 日付・取引先・金額
- 領収書から読み取ったもの。この3つは、ファイル名にもそのまま使います。
- 宛名
- 誰あてに出してもらったか。空欄のこともあります。その場合もあとから書き足さず、「宛名は空欄」と帯に残します。
- 用途
- 領収書には書かれていない情報。裏の手書きメモや、予定表と突き合わせて入れます。会食や打ち合わせなら、同席者の氏名もここに入ります。
※ 同席者の氏名は、この公開ページでは伏せています。実際のファイルには氏名が入ります。
ファイル名が、そのまま台帳FILE NAME
電子帳簿保存法で求められる検索条件は「取引年月日・取引金額・取引先」の3つ。この3つをファイル名に入れておけば、専用のシステムがなくても、フォルダの検索窓だけで探せます。
20260903取引年月日_FORESTTERRACE明治神宮取引先_1300取引金額.jpg
- 1枚の領収書=1つのファイル。まとめて1つのPDFにすると、検索の条件を満たせなくなります。
- 渡すときは月別フォルダ。税理士さんの作業単位(月次)と合うので、そのまま使ってもらえます。
- 宛名が空欄でも、あとから書き足さない。気になるところは、下の白帯に注記として書きます。
法律に合わせて決めたことRULES
紙の領収書をスキャンしてデータで残すときのルールは、電子帳簿保存法(スキャナ保存)で決まっています。左が法律の求めていること、右がそれに合わせて決めた、うちのやり方です。
- 読み取りの品質解像度200dpi以上・カラー
- スキャナは300dpi・カラー・両面で固定。設定を毎回いじらないように、この1つだけを使います。
- 読み取るまでの期間受け取ってから決めた期限内に
- 月に1回、処理する日を決めてまとめて通します。ためこむほど、あとで用途を思い出せなくなります。
- 検索できること取引年月日・取引金額・取引先の3つ
- この3つをファイル名に入れます。専用のシステムがなくても、フォルダの検索窓だけで探せる状態になります。
- あとから書き換えられないこと訂正・削除の履歴が残る形で
- スキャンした元の画像には手を入れません。メモを書き込んだものは別ファイルとして書き出し、保存先は上書きの履歴が残るクラウドにしています。
- すぐ見られること画面とプリンタで出せる状態
- 月別のフォルダに分け、全件のCSV一覧を付けます。「◯月の◯◯の領収書」を聞かれて、その場で出せる状態にしています。
- 帳簿とひもづくこと仕訳と証憑が結びつく
- CSVの各行にファイル名を持たせて、会計の仕訳から元の1枚にたどり着けるようにしています。
紙の原本を処分してデータだけにする場合は、ここに書いた以外の要件(タイムスタンプの付与など)も必要になります。うちはまず紙の原本を残したうえでデータ化を進め、処分してよいかは税理士事務所と確認しながら判断しています。
※ 法律の要件は改正で変わります。実際の運用は、必ず顧問の税理士さんに確認してください。
やってみて分かったことPITFALLS
- 束は、日本の分と海外の分が混ざっている。「◯枚目からは海外」と機械的に線を引くと取りこぼします。実際に14枚見落としました。全部を1枚ずつ見るしかありません。
- カードの利用控えと、レシート本体が別々に入っている。そのまま数えると二重計上になります。本体を優先し、控えしかないものは別扱いにします。
- 宛名が別の会社のものが紛れている。連盟の束に会社名義のものが混ざっていました。先に抜いておきます。
- 手作業で直した分は、やり直しのときに漏れる。最後に全件をまとめて機械的に検査して、書き込み漏れがないか確かめます。
使っている道具TOOLS
- SCANNER
- Epson DS-571W両面・300dpi・白紙は自動で除去
- CALENDAR
- TimeTree日付で予定を引き、同席者を特定
- AI
- Claude Code読み取り・突き合わせ・書き込み・一覧化
- OUTPUT
- JPEG + CSV1証憑1ファイル・月別フォルダ
自分のところでも、やってみたい。
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紙のまま置いておく理由が、なくなりました。
── 経理担当・村田亜衣